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相続手続きの流れ

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相続は、被相続人の死亡によって開始するとされています(民法882条)。そして、相続人は、相続が開始した時、すなわち被相続人の死亡の時から、被相続人の財産に属した権利義務のうち、被相続人の一身に専属したもの以外の一切を承継します(民法896条)。ここで、被相続人の一身専属的な権利義務の具体例としては、個人的な信頼関係に基づくものであるため、民法上個別的に被相続人の死亡により法律関係が消滅することが規定されているものとして、組合員の地位(民法679条1号参照)などがあり、また、民法上規定はないものの、夫婦の同居・協力・扶助義務(民法752条)や、親権(民法820条)なども身分関係に強く結びついて権利義務として、一身専属性が認められています。ただし、すでに発生している具体的な権利義務は相続財産に属することには注意が必要です。

相続人が複数人いる場合を共同相続といい、この場合、相続財産はいったん相続人全員の共有に属し(民法898条)、遺産分割の手続(民法906条以下)を経ると、個々の財産が各相続人の単独所有に属するという流れを経ることになります。この場合の共有持分権は、相続分と同じとなります(民法899条)。そして、遺産分割手続きを経る前で、共有状態にある場合は、相続財産の管理は、共有持分の過半数で行わなければなりません(民法252条本文)。

相続分については、被相続人による遺言での指定(民法902条1項本文)があればそれに従い、遺言での指定がなければ、法律で定められた相続分に従うことになります。遺言による指定がない場合の法定相続分は、相続人の組み合わせにより決まります。まず、被相続人の子が相続人となります(887条1項)。子が相続開始前に死亡などにより相続権を失っていた場合、代襲相続といい、孫が相続人となり、孫も死亡していた場合は曾孫がというように、相続権を失った者の子に相続権が移ります(民法887条2項、3項)。次に、被相続人の子及びその代襲相続人が存在しない場合は、親などの直系尊属が相続人となります(民法889条1項1号本文)。親などの直系尊属もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります(民法889条1項2号)。そして、被相続人の配偶者は、常に相続人となります(民法890条前段)。この場合、配偶者のほかに子などの相続人がいる場合、その相続人と同順位の相続人となります(民法890条後段)。相続分については、民法900条に規定があります。例えば、相続人が配偶者と子である場合、相続分は各2分の1となります(民法900条1号)。

遺産分割については、方法として、遺言による指定分割(民法908条)、協議による分割(民法907条1項)、家庭裁判所による審判分割(民法907条2項)があります。

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