親権とは子どもの監護や教育を行ったり子どもの財産を管理したりする権利・義務のことで、婚姻中は父母の双方が親権を持つ一方、離婚後は父母の一方のみが親権を持ちます。そこで子どもがいる夫婦が離婚をするときは親権者についても定める必要があるのですが、「どうやって親権者を定めるのか」という点について不安を持つ方も少なくありません。そこで当記事では親権者を決める方法について説明していきます。
親権者の定め方は、「両親の話し合い」を基本とし、話し合いで解決できないときに備えて「裁判所での手続き」も用意されています。
親権者の定めは、まず父母の協議により定めることとされています。
子どもの利益を第一に考え、子どもの監護、進学や医療に関すること、財産に関することなどさまざまな事柄を考慮しながら「どちらが親権を持つのが子どものためになるのか」という観点から親権者を定めていきます。
父母の協議により定めることができない、そもそも落ち着いて協議ができる状態にない、という場合は離婚自体ができません。そこでこのような場合には「家庭裁判所での調停」の手続きに移行しましょう。
ただし調停でも最終的には双方の和解を必要とするため、意見が合わなければ成立させられません。そこで調停でも解決できないときは「裁判」に移行する流れとなっているのですが、いきなり裁判をすることは基本的にできません。行方不明であるなど調停が不可能な事情がない限り、まずは調停から始める必要があります。
なお、調停の申し立てにあたっては収入印紙1,200円分や連絡用の郵便切手代が費用として発生します。また、申立書とその写し、夫婦の戸籍謄本、その他裁判所から求められた資料も必要となるため準備を進めておきましょう。
親権の獲得をしたいのなら、感情的に意見を伝えるのではなく、過去の事例も踏まえて冷静に対処していく必要があります。その観点から押さえておきたいポイントを以下にまとめました。
個々の状況に合わせた対策も重要になってきますので、事前に弁護士に相談しておくことをおすすめします。
2024年執筆時点では、離婚後の親権は一方の親にしか認められません。ただ、このルールは近年変更の予定がありますのでご留意ください。
離婚後も親権を父母の双方が持つ「共同親権」の導入が法改正により決定しています。DVや子どもに対する虐待があれば当然単独親権となりますが、父母の協議により共同親権とすることも可能になるのです。
※2026年までに施行予定。
子どもがいる場合、離婚時には親権のほか「養育費」や「面会交流」についても決めておくべきです。親権とは違いルールを定めなくても離婚はできてしまうのですが、後で決めようとしても相手方との協議が上手く進まないケースがあるため、必ず離婚前に話し合っておきましょう。
子どもを監護し、教育環境を整えるには、費用がかかります。子どもの養育費は一緒に住んでいるかどうかに関係なく、親であれば当然に負担すべきものです。そこで親権を持たず子どもの監護をしない方の親が監護親に対して養育費を支払うようルールを定めます。
その際、金額・支払期間・支払時期・振込先などを明確にしていきますが、金額や支払期間については将来のことをよく考えて慎重に決めていかなくてはなりません。大学への進学の可能性も考慮し、どれだけの費用がかかるのか、いつまで支払いが必要になるのかを考えていきましょう。
金額について悩むときは、裁判所の公表する「算定表」も目安として参考にすると良いです。
※算定表(https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html)
面会交流とは、子どもと離れる非監護親が子どもと会って話をしたり遊んだり、自由な方法で交流することをいいます。
これは離れて暮らす親の寂しさを紛らわすためのものではありません。子どもの健全な成長のために行われるものですので、この主目的を忘れないように実施方法を決めていきましょう。子どもの気持ち、子どもの生活リズムなどを考慮しながら交流の方法、頻度などを定めます。子どもの利益を第一に考えますので、他方の親から身体的暴力・精神的暴力を受けるおそれがあるのなら実施は避けなければいけません。
なお、面会交流の内容を決めたあとは、後日紛争が起こらないように口約束ではなく書面に残すようにしてください。