遺言書作成に関して弁護士ができる支援、遺言書作成を弁護士に相談・依頼することのメリットについて当記事では詳しく解説していきます。
法的な知識不足や不適切な表現により、無効になったり相続トラブルの原因となったりすることがありますので、そのような問題が起こることのないよう必要に応じて弁護士もご活用ください。
弁護士は法律の専門家として、相続人等に残す最後の意思表示を、法的に有効な形で文書化する支援を行います。また、相続法や税法などの関連法規を踏まえたアドバイスを提供し、遺言の内容が法的に問題ないかをもチェックします。
さらに、弁護士は遺言書の作成だけでなく相続全般に関する相談にも対応可能です。
たとえば遺産分割の方法や相続税の対策、さらには将来起こりうる相続トラブルの予防策などについても、専門的な見地からアドバイスを行います。
このように、弁護士は遺言書作成のすべての過程において、遺言者の意思を尊重しつつ、法的な観点から安全で確実な遺言書を残すためのサポートを提供する存在なのです。
遺言書の作成を弁護士に依頼することに、具体的にどのようなメリットがあるのかを詳細に見ていきましょう。
遺言書の内容を法的な観点から綿密にチェックし、これにより以下のような利点が得られます。
遺言書を作成するとき、第一に「法律で定められた作成要件」に留意しないといけません。決まった方法で作成しないと遺言書としては無効になってしまいますので、まずここを確実にクリアしないといけないのです。
そのうえで、記載する内容についても法的に問題のないものとしないといけません。
弁護士は法律のプロであり、法的トラブルに対処する実務家でもあります。遺産分割は特に揉めやすいポイントでもありますし、法定相続分や遺留分のことなど法律上の知識も必要となる事柄でもあります。そのためご自身で対応する場合に比べて、弁護士を活用することで次のような利点が得られます。
※遺留分とは、被相続人の子や親など特定の相続人にのみ認められる、法的に留保される相続分のこと。
弁護士の専門知識を活かし、将来的な相続トラブルを未然に防ぐことができます。相続に強い弁護士ならさまざまなトラブル事例を知っていますので、これを避けるため、次のようにして最適な遺言内容を提案することができます。
弁護士は、質問に答えて相談に対応するだけでなく、実際にさまざまな作業を代わりに進めることもできます。代理人として動くことができるため、遺言書作成にあたっての遺言者自身の負担を軽くすることができるでしょう。
たとえば次のように負担を軽減させられます。
弁護士は遺言執行者としても活動できるため、相続開始後の「遺言内容の実現」もサポートすることができます。
遺言執行者を定めるかどうかは本人の自由ですが、これが選任されていないケースでは相続人らが自らすべての手続きに対応しないといけません。
相続人自身の対応で問題ないケースもありますが、相続人同士の関係性が良好でない場合や遠方にいる場合、相続人の数が多い場合などでは相続手続きが円滑に進められずトラブルになってしまう危険性もあるのです。
そのようなリスクがあるときには遺言執行者を定めましょう。できれば利害関係のない人物、専門知識のある人物を指定すべきであり、その役割を弁護士に任せることも可能です。
遺言書は一度作成して終わりではありません。「適切な保管」「定期的な見直し」も大事な観点で、弁護士はこの作成後の段階でも重要な役割を果たします。
遺言書の保管方法について考えることは、その有効性と発見可能性を確保するためにとても大事なことです。
適切に作成できた遺言書も、その後適切に保管ができていなければ紛失する危険性がありますし、場合によっては改ざんされてしまうかもしれません。また、相続開始後に誰にも見つけてもらえず遺言内容を伝えられないままになってしまうことも起こり得ます。
しかし弁護士がついていれば、以下のような点についてアドバイスを提供することができます。
特に、近年開始された法務局での遺言書保管制度は、自筆証書遺言(公証役場での手続きを行わず、遺言者1人でも作成要件を満たせる遺言書の種類)を安全に保管するうえで大きな役割を担っています。
この制度の利用方法についても弁護士がアドバイス・サポートすることができます。
遺言者の生活環境や家族構成、資産状況は時間とともに変化することもあるでしょう。それに伴い遺言書の内容は定期的に見直し、修正が必要になることもあるのです。
しかし、適切ではない形で修正をしてしまい、遺言書が無効になってしまったり、意図しない形で効力を生じてしまったりすることもあります。
そこで、修正後の遺言内容についてのチェック、法改正に伴う修正の提案、変更手続きの支援など、弁護士を活用してサポートを受けることをおすすめします。
遺言書作成にあたって弁護士の利用は必須ではありません。しかしながら、以下のケースに該当するときは弁護士への相談が推奨されます。
状況 | 理由 |
---|---|
家族関係が複雑 | 再婚や養子縁組など、家族構成が複雑と思われる場合、手続きや推定相続人の判定などが難しくなる。 |
多額の財産がある | 相続人間のバランスを考慮しないと揉める可能性があり、適切な資産分配のためには専門的なアドバイスが必要。 |
事業承継を考えている | 会社の株式や事業用資産の承継には、特別な配慮が必要。 |
人間関係が良好ではない | 公平性を保ちつつ、将来の紛争を予防する遺言内容の検討が必要。 |
特定の人物を優遇したい | 特に相続人以外の第三者へ遺贈を行う場合は遺留分への考慮が必要。 |
これらのケースでは、弁護士の専門的な知識と経験が遺言書作成に大きく貢献します。