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後遺障害等級認定に不満がある場合の対処法

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交通事故で後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定結果が損害賠償額を大きく左右します。
しかし、認定結果に納得できないケースもあります。
今回は、後遺障害等級認定に不満がある場合の対処法について解説します。

 

交通事故における後遺障害とは

交通事故による後遺障害とは、治療を続けても完治せず身体に残った機能障害や神経症状のことをいいます。
医師がこれ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと判断した状態を症状固定といい、この時点で残っている症状が後遺障害として評価されます。
後遺障害等級認定制度では、障害の程度に応じて等級が定められており、介護を要する後遺障害は別表第一の第1級・第2級、その他の後遺障害は別表第二の第1級から第14級に分類されます。
等級の数字が小さいほど障害の程度が重く、受け取れる賠償額も大きくなります。
認定機関は損害保険料率算出機構であり、提出された医療記録や診断書などをもとに等級を判定します。

 

後遺障害等級が認められない・低い場合のデメリット

後遺障害等級が認められない・低い場合のデメリットは以下のとおりです。

後遺障害慰謝料が受け取れない可能性がある

後遺障害等級が認定されないと、後遺障害慰謝料を受け取ることができなくなります。
また、障害の程度が軽い等級に認定された場合には、本来受け取れるはずの金額より少ない慰謝料しか受け取れないことになります。
後遺障害慰謝料の金額は、自賠責保険基準と裁判所基準で大きく異なります。
第14級の場合、自賠責保険基準では32万円ですが、裁判所基準では110万円となり約3.4倍の差があります。
第12級では自賠責保険基準が93万円に対し、裁判所基準は290万円と約3.1倍です。
さらに障害の程度が重い等級になるほど金額差は拡大し、適正な等級認定を受けることの重要性が高まります。

逸失利益が受け取れない可能性がある

逸失利益とは、後遺障害により失われた将来の収入のことです。
後遺障害等級に応じて労働能力喪失率が定められており、この割合をもとに逸失利益が計算されます。
等級が認定されなければ逸失利益も認められず、障害の程度が軽い等級だと労働能力喪失率も低く算定されます。
その結果、本来受け取れるはずの賠償額との差が数百万円から数千万円になる可能性があります。

 

後遺障害等級認定に不満がある場合の対処法

後遺障害等級認定に不満がある場合の対処法は、次のとおりです。

異議申し立て

異議申し立てとは、認定結果に不服がある場合に再審査を求める手続きです。
提出先は損害保険料率算出機構となり、回数制限がないため何度でも申し立てることができます。
異議申し立てには、異議申立書のほか新たな医師の意見書や診断書、画像所見、症状を裏付ける客観的資料などを提出します。
初回の認定で提出した資料と同じものを再度提出しても、結果が変わる可能性は低いといえます。
そのため、新たな医学的証拠を追加して提出することが重要です。
医師に改めて診察を受け、症状の詳細や事故との因果関係について意見書を作成してもらうことが効果的です。

自賠責保険・共済紛争処理機構への申請

自賠責保険・共済紛争処理機構とは、弁護士、医師、学識経験者で構成される第三者機関です。
異議申し立てより慎重な審査が行われ、専門家による多角的な検討が期待できます。
この手続きは無料で利用できる点が大きなメリットです。
異議申し立てが損害保険料率算出機構内部での再審査であるのに対し、紛争処理機構は外部の独立した機関による審査である点が異なります。
そのため、異議申し立てで結果が変わらなかった場合でも、紛争処理機構への申請により認定が変わる可能性があります。

異議申し立てを成功させるためのポイント

異議申し立てを成功させるには、医学的証拠を充実させることが最も重要です。
MRIやCTなどの画像所見により、症状の原因となる異常所見を明らかにすることが求められます。
また、医師の意見書では症状と事故の因果関係を詳細に記載してもらう必要があります。
神経学的検査結果など他覚的所見を示す資料も有効です。
継続的な通院記録は、症状の一貫性を証明する重要な証拠となります。
さらに、事故態様と症状の整合性が取れていることも審査で重視されます。
日常生活や仕事への具体的な支障を示すことで、後遺障害による影響を明確に伝えることができます。

 

弁護士に相談するメリット

弁護士に相談することで、医学的知見に基づく異議申立書の作成サポートを受けられます。
適切な医療機関の紹介や医師との連携により、必要な医学的証拠を収集することができます。
自賠責保険・共済紛争処理機構への申請や訴訟の代理も弁護士に任せることができます。
裁判所基準での賠償額算定により、大幅な増額が期待できる点も大きなメリットです。
保険会社との交渉を任せられるため、精神的な負担も軽減されます。

 

まとめ

後遺障害等級認定は、損害賠償額に大きく影響する重要な手続きです。
認定結果に不満がある場合には、異議申し立てや紛争処理機構への申請、訴訟などの手続があります。
適切な医学的証拠を収集することと時効に注意することが重要です。
これらの手続きは複雑で専門知識が必要なため、弁護士に相談することをおすすめします。
北毛法律事務所では交通事故案件の経験豊富な弁護士が対応いたします。
後遺障害等級認定でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。